高市早苗前経済安保相が自民党総裁に選出、女性初の内閣総理大臣に就任へ...道内選出議員の動きは?

自民党総裁選挙は10月4日に投開票され、高市早苗前経済安保相が女性初の自民党総裁に選出された。ちなみに北海道選出議員は総裁選でどのような動きを見せたのか。追っていくことにする。
小林英介 2025.10.06
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第1回目の投票では、国会議員票と党員・党友票を合わせた合計590票が投じられた。各候補の獲得票数は以下の通り。

  • 高市早苗候補: 議員票 64票、党員票 119票、合計 183票

  • 小泉進次郎候補: 議員票 80票、党員票 84票、合計 164票

  • 林芳正候補: 議員票 72票、党員票 62票、合計 134票

  • 小林鷹之候補: 議員票 44票、党員票 15票、合計 59票

  • 茂木敏充候補: 議員票 34票、党員票 15票、合計 49票

この結果、過半数を獲得する候補が出なかったため、上位2名である高市早苗候補と小泉進次郎候補による決選投票が行われることとなった。

決選投票の結果

第1回投票で上位2名に入った高市早苗候補と小泉進次郎候補によって行われた決選投票の結果は以下の通りである。

高市早苗候補

議員票149票

都道府県票36票

合計185票

小泉進次郎候補

議員票145票

都道府県票11票

合計156票

決選投票の結果、高市早苗候補が合計185票を獲得し、自民党の新総裁に選出された。

各候補の推薦人一覧と、道内選出議員の動向

立候補した各候補の推薦人は以下の通りである(届け出順)。

1. 小林鷹之候補

  • 浜田靖一(無派閥、千葉12)

  • 大野敬太郎(無派閥、香川3)

  • 勝俣孝明(旧二階派、比例東海)

  • 勝目康(無派閥、京都1)

  • 小池正昭(無派閥、千葉10)

  • 斎藤洋明(麻生派、比例北陸信越)

  • 塩崎彰久(旧安倍派、愛媛1)

  • 武部新(旧二階派、北海道12)

  • 田畑裕明(旧安倍派、富山1)

  • 津島淳(旧茂木派、青森1)

  • 本田太郎(無派閥、京都5)

  • 松本洋平(旧二階派、比例東京)

  • 向山淳(麻生派、比例北海道)

  • 山田賢司(麻生派、兵庫7)

  • 山本大地(無派閥、和歌山1)

  • 若山慎司(無派閥、比例東海)

  • 猪口邦子(麻生派、千葉)

  • 臼井正一(旧茂木派、千葉)

  • 清水真人(旧二階派、群馬)

  • 渡辺猛之(旧茂木派、岐阜)

2. 茂木敏充候補

  • 新藤義孝(旧茂木派、埼玉2)

  • 東国幹(旧茂木派、北海道6)

  • 上田英俊(旧茂木派、富山2)

  • 江渡聡徳(麻生派、比例東北)

  • 大西洋平(無派閥、東京16)

  • 梶山弘志(無派閥、茨城4)

  • 木原稔(旧茂木派、熊本1)

  • 鈴木貴子(旧茂木派、北海道7)

  • 鈴木隼人(旧茂木派、東京10)

  • 高見康裕(旧茂木派、島根2)

  • 永岡桂子(麻生派、比例北関東)

  • 中谷真一(旧茂木派、比例南関東)

  • 平口洋(旧茂木派、広島2)

  • 船田元(旧茂木派、栃木1)

  • 古川康(旧茂木派、比例九州)

  • 宮崎政久(旧茂木派、比例九州)

  • 森下千里(無派閥、比例東北)

  • 上野通子(旧安倍派、栃木)

  • 加藤明良(旧茂木派、茨城)

  • 高橋克法(麻生派、栃木)

3. 林芳正候補

  • 田村憲久(旧岸田派、三重1)

  • 石橋林太郎(旧岸田派、比例中国)

  • 伊藤忠彦(旧二階派、比例東海)

  • 江藤拓(無派閥、宮崎2)

  • 金子容三(旧岸田派、長崎3)

  • 栗原渉(無派閥、福岡5)

  • 後藤茂之(無派閥、長野4)

  • 島田智明(無派閥、比例近畿)

  • 中谷元(無派閥、高知1)

  • 西田昭二(旧岸田派、比例北陸信越)

  • 広瀬建(無派閥、大分2)

  • 堀内詔子(旧岸田派、山梨2)

  • 江島潔(旧安倍派、山口)

  • 小林一大(旧岸田派、新潟)

  • 桜井充(無派閥、宮城)

  • 西田英範(無派閥、広島)

  • 藤木真也(旧岸田派、比例)

  • 古川俊治(旧安倍派、埼玉)

  • 舞立昇治(無派閥、比例)

  • 吉井章(旧岸田派、京都)

4. 高市早苗候補

  • 古屋圭司(無派閥、岐阜5)

  • 安藤高夫(旧安倍派、比例東京)

  • 今枝宗一郎(麻生派、愛知14)

  • 尾崎正直(旧二階派、高知2)

  • 黄川田仁志(無派閥、埼玉3)

  • 工藤彰三(麻生派、比例東海)

  • 小林茂樹(旧二階派、比例近畿)

  • 高木啓(旧安倍派、東京12)

  • 中村裕之(麻生派、比例北海道)

  • 仁木博文(麻生派、徳島1)

  • 平沼正二郎(旧二階派、比例中国)

  • 松島みどり(旧安倍派、東京14)

  • 松本尚(旧安倍派、千葉13)

  • 山口壮(麻生派、兵庫12)

  • 有村治子(麻生派、比例)

  • 生稲晃子(旧安倍派、東京)

  • 小野田紀美(旧茂木派、岡山)

  • 片山さつき(旧安倍派、比例)

  • 中曽根弘文(旧二階派、群馬)

  • 若林洋平(旧二階派、静岡)

5. 小泉進次郎候補

  • 加藤勝信(旧茂木派、岡山3)

  • 伊東良孝(旧二階派、比例北海道)

  • 遠藤利明(無派閥、山形1)

  • 大串正樹(無派閥、比例近畿)

  • 神田潤一(旧岸田派、青森2)

  • 島尻安伊子(旧茂木派、沖縄3)

  • 田所嘉徳(無派閥、比例北関東)

  • 田中和徳(麻生派、神奈川10)

  • 辻清人(旧岸田派、東京2)

  • 中西健治(麻生派、神奈川3)

  • 西銘恒三郎(旧茂木派、沖縄4)

  • 根本拓(無派閥、比例東北)

  • 野田聖子(無派閥、岐阜1)

  • 牧島かれん(麻生派、神奈川17)

  • 宮路拓馬(旧森山派、比例九州)

  • 阿達雅志(無派閥、比例)

  • 梶原大介(旧二階派、比例)

  • 上月良祐(旧茂木派、茨城)

  • 福山守(無派閥、比例)

  • 三原じゅん子(無派閥、神奈川)

北海道選出の議員は、各候補に対してどのようなスタンスだったのだろうか。以下に、各候補の推薦人に名を連ねた議員や、支持を表明した議員の動向をまとめる。

小林鷹之候補を支持した北海道選出議員

  • 武部新議員(旧二階派、北海道12区): 旧二階派の同期であり、共にテレビ出演するなどの関係性を持つ。小林候補が財務省出身であることに対し、武部議員は銀行勤務の経験があり、両者の考え方が近いと見られる。また、稚内駐屯地を一緒に視察するなどの関係性もある。

  • 向山淳議員(麻生派、比例北海道ブロック): ハーバード大学公共政策大学院を修了しており、小林候補もハーバード大学ケネディ行政大学院で公共政策学修士を修了。「ハーバード大」という点で共通の学歴を持つ。向山議員は報道各社の取材に対し、「世代交代が非常に重要」と語っており、若い世代を前に出していくという小林候補の考え方に賛同を示しているとみられる。

茂木敏充候補を支持した北海道選出議員

  • 東国幹議員(旧茂木派、北海道6区)、鈴木貴子議員(旧茂木派、北海道7区): 両議員とも過去、茂木派に所属しており、もともと同じ派閥の間柄であることから茂木候補を支持しているとみられる。

高市早苗候補を支持した北海道選出議員

  • 中村裕之議員(麻生派、比例北海道ブロック): 唯一残っている派閥である麻生派の議員であり、保守中道寄りの考え方が高市候補と一致しているとみられる。中村議員はかねてから高市候補を応援しており、前回の総裁選挙でも高市候補を支持していた。

  • 高橋はるみ議員: 元北海道知事である高橋はるみ議員は、「積極財政や唯一の女性候補であるため」高市候補の支持を表明した。

小泉進次郎候補を支持した北海道選出議員

  • 伊東良孝議員(旧二階派、比例北海道ブロック): 自民党の4人の議員で作る「四志の会」の一員である。この会は、伊東議員のほか、橘慶一郎議員(富山3区、石破内閣の内閣官房副長官)、齋藤健議員(千葉7区)、そして小泉進次郎候補がメンバーとなっている。この会は2009年衆議院選挙で当選した同期議員で構成されている。

その他、支持を表明した北海道選出議員

  • 鈴木宗男議員: 1回目の投票では茂木候補を支持したが、決選投票では小泉候補を支持した。

  • 長谷川岳参議院議員: 小泉候補の支持を表明している。

長谷川議員については、以下の記事を参照。

支持候補が不明な北海道選出議員

  • 岩本剛人議員

  • 船橋利実議員

  • 東野秀樹参議院議員

  • 橋本聖子参議院議員

決選投票の都道府県票一覧

決選投票で投じられた都道府県票は、高市早苗候補が36票、小泉進次郎候補が11票であった。各候補が票を獲得した都道府県の内訳は以下の通りである。

  • 高市早苗候補(36票)に投票した都道府県:北海道、宮城、群馬、栃木、埼玉、千葉、東京、山梨、静岡、長野、新潟、富山、石川、岐阜、愛知、福井、滋賀、三重、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、香川、愛媛、徳島、高知、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎、熊本

  • 小泉進次郎候補(11票)に投票した都道府県:青森、秋田、岩手、山形、福島、茨城、神奈川、鳥取、島根、鹿児島、沖縄

この結果、高市早苗候補が都道府県票で優位に立ち、総裁選勝利につながった。

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